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コラム

浮気調査:修羅場必至!不倫相手の女に対する妻たちの「思い」【コラム003】

シリーズ:“女の勘”が確信へと変わるとき、それぞれの妻の選択 その3

証拠を集めて「どうするか?」が結末を左右する?

前々回の記事でも書いたように、女の勘から「夫が浮気をしているのではないか」と察した妻たちは、前回の記事でも触れたが、まずは自力で「証拠」を探し、事実を確認しようと行動しはじめる。

ただ、妻たちの話を聞いているとこの時点で証拠を探す動機は、「確固たる証拠を見つけて夫に突きつけてやりたい」というよりも、どちらかというと「自分の勘が間違いであることを確かめたい」という淡い期待があるように感じる。つまり、女の勘によって芽生えた疑惑のほうが「勘違い」で、夫は本当は浮気や不倫などしていないという結果を確認することを望んでいるのだろう。

しかし、妻たちの淡い期待と裏腹に、女の勘が「外れる」ことのほうがマレである。妻たちの疑惑が確信へと変わる何かが、必ず見つかる。途端にそれまで、うすぼんやりとしていた女の影が、やけにくっきりとした輪郭を持ち始める。証拠から相手の女を特定できる場合もあれば、そうでないこともある。

自力で夫のスマートフォンのパスワード解析に成功し、メッセージの履歴を見たR子。この時点で夫が不倫をしていることが確定したわけだが「相手の女性に同情した」という。

「メッセージアプリに登録されていた名前がイニシャルだったので、相手が誰だかは分からなかったんです。でも、やりとりの中で夫が『妻とは離婚を前提とした別居中』だと嘘をついているのを見つけて。私のことも、この女性のことも『騙している』わけじゃないですか。相手の女性が真剣なんだな、ってことも同性だからメッセージを見れば分かる。なんか、気の毒になっちゃって」

「いつか戻ってくるはず」と夫の不倫を黙認していたら、突然、離婚を切り出されたM美は「最初の頃は相手の女性が憎かったけれど、離婚して時間が経つにつれ女性への憎しみは薄れていった」と振り返る。

「私、元夫に離婚を切り出されて、押し切られるように離婚したじゃない? そのことを友達に話すとみんな『あんまりだ』『ひどい』って怒るの。そんなことを平気でする人なんだな、って思ったら。最低なのは、相手の女性じゃなくて元夫のほうだな、って」

夫の不倫相手から「ご主人とお付き合いをしています」という電話を受けるも、夫から「彼女とは別れたい」と泣きつかれたS子。不倫相手のエキセントリックな振る舞いに恐れをなした夫が、妻に助けを求めるという情けない展開であったが、S子自身も「夫に対する尊敬の念など一切、持てなくなった」と語る。

「不倫の後始末もできないのも情けないし。そんなエキセントリックな女と関係を持つバカさ加減にも呆れたわ。その彼女が夫と付き合って精神的に不安定になったのか、もともとなのか分からないけれど。夫も器のちっちゃい男だよね」

今ドキの妻の怒りの矛先は夫に向かう?

もちろん、相手の女性に怒りをぶつける妻たちもたくさんいる。特に、妻と不倫相手の女性が面識がある場合は、その傾向が顕著だ。「私の夫と知っていながら?」という気持ちになるからだろう。とはいえ、「妻は夫の浮気相手を憎み、夫のことは許す」という定説は、もはや過去の遺物だと感じる。

それは、世の妻たちが「世間の既婚男性がいとも気安く女性を口説く」という現実を熟知し始めているからではないか。年頃の娘がバイト先の上司に口説かれた、職場の同僚が取引先の既婚男性から誘われた、そんな話はいかなる世代でも今や“女子会”の定番である。妻たちも自分の娘や同僚、友達といった身近な存在が「既婚男性から性的関係を迫られている」ことを知っている。「私も迫られた経験がある」と語る妻も少なくない。

この経験により「どちらかといえば、誘う男の方に問題がある」という“常識”が女性の間では形成されつつある。もちろん、彼女や妻のいる「人のもの」ばかりを狙う女性も存在するし、「仕事もプライベートも忙しいから、恋愛相手は既婚者ぐらいがちょうどいい」と公言する独身女性もいるが、圧倒的に少数派だ。

「それに、仮に女性から誘われたとしても『僕は結婚しているので』って断る権利があるわけでしょ? 『据え膳食わぬは男の恥』とか思っちゃうことが、もうダメでしょ」

S子のこのひと言が、今ドキの妻の気持ちを代表しているように感じる。

セックスレスは「不倫」のきっかけ?

それにしても、なぜ不倫をするのだろうか?

日本の夫婦の約半数がセックスレスだという調査結果を目にしたことのある人も多いと思う。そして、この現実が不倫や浮気の動機付けになっているのは紛れのない事実だろう。しかし、夫婦間のセックスレスに対する世の妻たちの反応は実に興味深い。

「セックスレスだからといって、浮気をしていいとは限らない」と語る一方で、「夫とはもう、そういうことはしたくない」と口にする妻は思いのほか、多いのだ。この発言に矛盾を感じる女性たちも少なくない。「虫がよすぎる」と感じる女性もいれば、「家族になったら、セックスなんかしないよね」という持論を持つ女性もいる。「そういうことがしたかったら、私に気づかれないように風俗とか行って欲しい」という人もいれば、「うちは夫の方からレスになった」と不満を漏らす人妻も珍しくない。

要するに、多くの世の妻たちが、夫婦間のセックスレスに自分なりの意見や願望を持っているにも関わらず、夫婦間でのコンセンサスをまったく得ていないのだ。

もう何年も夫との間に性交渉はなかったが「もういい年なんだから、そういうことはしなくていいでしょ」と思っていたのがF子だ。しかし、夫が大量の避妊具を隠し持っていることを知り、動揺しながら電話をかけてきた。「なんでこんなモノを持ってるのかしら?」というF子に、思わず「それは、ご主人に聞かないと分からないことだよね」と言ってしまったのだが、F子のような妻は少なくない。

セックスレスは「最初に拒絶したのはどちらか?」という点がポイントになる。子育て中の女性はホルモンバランスの変化により、性交渉を断る傾向にあることも知られている。男性に「父親になると太る」人が多いのは、子供を守るために攻撃性を伴う男性ホルモン、テストステロンが減少するからである。テストステロンが減少すれば、性欲もおのずと減退する。そして、ストレスや睡眠不足が長く続いた場合も、テストステロンは減少する。

そうした生理的な理由がありながらも、私たち人間は「セックスを断られた」というときに感情論で考えてしまいがちだ。男女ともに「拒絶された」ということに精神的なダメージを受けるのだ。自分自身を否定されたような気分に陥り、求めに応じてくれない配偶者に怒りを、夫婦関係に不安を覚えるようになる。

「断られる」体験が続くと、「もう誘わない」ということになりやすい。とはいえ、欲望があるのなら? 欲望をどう昇華すればよいのだろうか?

その答えのひとつが不倫なのだろうな、と思う。

F子の夫がなぜ、大量の避妊具を持っていたのかは分からない。なぜなら、F子は「見つけなかったこと」にして、「夫と話し合う」ことを避けたのだ。F子の夫も、避妊具を準備する前に、なぜ妻と話し合わなかったのか。

不倫相手の女性ではなく、夫に怒りを向ける妻たちが増えたのは。もともとの夫婦の関係にも大きな問題があるからなのではないか? という気がしてくる。その問題が事象として顕在化したのが「不倫」なのかも知れない。


企画・編集:CiaoLab編集部
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