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褒めるのはしゃくだが、見た目はいい男である。このタイプは中年期になると判で押したように筋トレにはまりがちなのだが、鍛えているだけあって年齢の割になかなかのプロポーション、ファッションも比較的こなれている。
彼らは何を生きがいにしているのか。それは、ただただ女子に「かっこいい」「ステキ」と言われることだ。
彼らは若い頃にそれなりにモテた経験がある。息を吸って吐いているだけでモテた青年期の記憶がどんなに鮮やかであっても、悲しいかな中年期になるとさすがに手応えが減ってくる。なぜなら、そもそも賢明な女子は既婚男性にむやみやたらと「かっこいい」などとは言わない。加えて四十路の声を聞くころから、どんなにルックスに恵まれていたとしても、さすがにおじさんめいてくるからだ。
「俺はこのまま加齢臭を振りまくジジイになってしまうのだろうか。男として終わってしまうのか」。
鏡を見る度に、むなしい思いが去来する。だが、このタイプの男は「粘り強さ」、またの呼び名を「悪あがきするエネルギー」に人一倍、満ち溢れている。「かっこいい」「ステキ」と称賛された若かりし日に味わった、脳汁が出るあの感覚が彼らの原動力である。そして、「俺もまだまだいけるのだ」ということを確認したいがために、ダンベルを振り回しプロテインをむさぼりモテを目指すのだ。
ジムに通いつめた甲斐あって、一度でも“モテの手応えの再来”を得てしまったら、もう誰にも彼らを止めることはできない。「若々しいですね」「〇歳には見えない!」といった女子のセリフが麻薬のごとく脳をしびれさせ、すっかり“称賛ジャンキー”状態に。
彼らが織りなすドラマの展開は決まっている。既婚の男友達に「えっカノジョいないの?な、んで?」とマウンティングするまでがシーズン1、不倫相手を増やしていくのがシーズン2、不倫が妻にバレるのがシーズン3、ほとぼりが冷めた頃に不倫を再開するのがシーズン4である。お見逃しなく。
「男として終わった感じがする」という自信喪失が彼らの不倫の直接的な原因である。
例えば、結婚して家庭を持ち、社会人としての黄金期を迎えバリバリやっている間に、いつの間にか女性たちのストライクゾーンから外れていた、と自覚した瞬間。雑誌やSNSでバカにされている正真正銘の「オジサン」に「この俺がなっていた⁉」と気付いた時のショック。
「家庭は大事だ、子どもはかわいい。でも男として終わっているなんて淋しすぎるじゃないか!」。ある日突然、気づいてしまった現実に虚しさを覚える“クヨクヨ期”を終えて、なぜか「俺もまだまだ、いけるはずだ」という天啓、もとい勘違いが下る。
とはいえ最初は筋トレをして体型を維持したり、身だしなみやファッションを気にしたりする程度だ。
こうした努力が実を結び、「下山田部長(仮名)、なんか最近かっこいいです……♡」といった女性からの称賛がゴングとなって、欲望と下半身に火がつきゲスオと化していくのだ。
職場の部下、あるいは取引先の女子などと飲み会をしたときなどに「ワンチャンあるかも」と雷鳴のごとくひらめき、帰りに「もう1軒行こうか」となる。車通勤なら部下を送っていくときが絶好のチャンス。もちろんそのままホテルにピットインを狙う。
「ごめん……本当に反省してる……」
※注:してない
不倫スタートとほぼ同時期に筋トレへの情熱が加速する。そのままトレイルランニングやアドベンチャーレース、ひいてはトライアスロンなど、どんどん過激な方向に走る人も。海外レースへの参加は不倫相手の同伴がお約束。
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かつてモテていたこともありデート慣れしている。「こんな証拠から浮気がバレる」ということも、過去の経験からだいたいおさえているため、カーナビの検索履歴や財布のレシートの処分にも気を配っている。スマホの電話帳は同僚の名前など男名で登録、LINEは履歴削除など抜かりない。妻の独自調査ではなかなか尻尾がつかみづらく、また中途半端な証拠をもとに「どういうこと?」と問い詰めると、警戒を強めながらの不倫を続けられ、尻尾をつかみにくくなる可能性も。
妻としては離婚や別居などの今後の方向性を決めたら、家庭内では平静を装いつつ調査会社に依頼をして不倫調査を行い、言い逃れできない証拠をおさえるのがスマートかつ有効だろう。
主な特徴、
・飲み会が比較的好きで、終電に抵抗が薄い貴重種族
・ものごとを「まぁいっか」と楽観的に割り切ることができるさっぱりした一面を持つ
・その上で、エロい、性的にも魅力ありで自覚もあり
・学生時代から今日に至るまで遊び相手に困ることなし
・恋愛も損得、楽しさで割りきることができる便利な大人
いわゆるいい女。経験豊富なだけに男を見る目もあるし、売り込みも駆け引きも上手。デキる夫を持つ妻達からもっとも敵視されているんじゃないの?何事もほどほどに割り切ってうまく生きてゆけるタイプだから、30前後で無難な男捕まえて結婚しちゃうから大丈夫って思ってるでしょ?私もそう思います。楽しく上手に社会を渡ってゆく持って生まれた才能の持ち主だよね。好きにして。
<記事:Ozzy>
妻や彼女に対する最大の背信行為、不倫・浮気。しかし残念なことに、一定数の男はその愚を犯す。そしてこの世の女たちも、目の前の男に配偶者や彼女がいると知りながら関係を持つこともあるのが現実である。ゲスオ図鑑ではその生態を暴き、配偶者や彼氏がいるすべての女性が「もしも」の際にその生態や心理を読み解くことを目的とする。さらに独身女性にとっても、不誠実な関係を持ったばかりに人生を無駄にしないよう、参考にしていただくことを目指している。
誰かに恋をしたり、愛したり。そこには人の数だけドラマが生まれます。とはいえ、そのドラマは必ずしも素敵なもの、とは限りません。出会って恋に落ち、結婚をした二人でも、別れを迎えることもある。恋が道ならぬモノであることも、少なくありません。
私たちを取り巻く「恋愛事情」や「夫婦の関係」は時代とともに、大きく様変わりしてきました。
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