目次
家族構成
夫 20代後半(会社員)
妻 20代後半(専業主婦)
子 生後半年
相談者、依頼者の方の年齢層は20代から70代までと幅広く、最近では、20代の方からのご相談が増えつつあるという印象です。結婚しているケースもありますが、恋人の浮気調査もありますし、交際相手の方の身元調査の場合もあります。ほかにも、息子の恋人がおかしい!と、親御さんからの相談も少なくありません。
これらのケースで、最近増えているのが、マッチングアプリが絡んでいることです。
マッチングアプリなどで知り合って、お付き合いするケースの場合、相手の素性がよく分からないといったご相談が大半になります。住所や職業だけでなく、既婚者がウソをついているケースもあり、お付き合いしている相手に対して、
といった素性を明らかにしない様子にモヤモヤしてご相談されるケースが目立ちます。結局のところセックスをする以外のお付き合いがないなどを理由に、不安に駆られて、相手の調査を依頼に来られます。
男女の出会い方が変わってきているのもあるのでしょうが、相手のことをよく知らないままに、交際してスピード結婚してしまうことも増えているようですね。
今回のケースは20代のご夫婦。調査をしてみると、妻が、夫から聞いていたこととまったく実情が違っていました。
それは次のような内容でした。
もちろん、浮気をしていたのです。
妻はWワークや部屋を借りっぱなしというウソには気づいていませんでした。ただ、結婚後に夫の行動を怪しむようになって、弊社に調査依頼をされたんです。
夫は、出張と偽り、借り続けていた部屋で寝泊まりしていました。夫婦は、いわゆる授かり婚で、奥さんは当時、専業主婦です。お子さんは生後半年ぐらい。出会ってすぐに妊娠して結婚し。そして出産です。慌ただしい日々でしたので、ご主人の偽りにも気づく余裕がなかったのでしょう。
調査そのものは、さほど難しくはありませんでした。ただ、奥さんが産後まもなく、というタイミングだったこともあって『これ、報告して大丈夫?』って心配になりました。
とはいえ、事実をありのままにご報告しなくてはなりませんから、奥さんご連絡したんです。そうしたら、もう、その時点でご主人はまったく家に帰ってこなくなっていまして。まあ、独身時代から借りていた部屋にいるわけですが。どうやら、出張が多いことや帰りが遅いことを奥さんにとがめられ続けたことで、まったく家に帰らなくなってしまったのです。
問い詰めれば、ますます夫婦関係の修復が難しくなってしまいます。といっても、思わず問い詰めてしまった奥さんの気持ちも無理はありません。赤ちゃんがいて、色々と大変な時期でしたし。
奥さんは産後まもなくて、赤ちゃんをかかえてこれからどうしよう?となりますから、やはり実家の親御さんを頼っていました。したがって、調査の報告には、ご両親も同席されました。
奥さんのご両親は激怒です。偽りの上に偽りを重ねていたわけですからね。離婚一択といったケースです。報告の際には、今、寝泊まりしている場所や勤務先、不倫相手の素性も分かっているので、今後のことは落ち着いて考えてください、と申し上げました。
私たちが懲らしめることはできないのですが、お気持ちはわかります。ご相談や報告の時に、赤ちゃんを連れて見えていたんですけどね。なにもわからない赤ちゃんが笑っているのを見たら、慣れているはずの我々でも、思わず何とか懲らしめてやりたいと思ったほどです。
報告後は、カウンセラーを通じて事後の処理を詰めてゆきます。今回の場合、奥様のご両親がご一緒でしたが、ご両親の意見は、
結局のところ「お金で解決するしかない」ということになりました。
離婚には協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。協議離婚は双方の話し合いなんですが、それがこじれると調停員を立てて話し合いの場を設ける、調停離婚に進みます。調停でも決着がつかないと、裁判となり、離婚には3段階のステップがあります。
そもそもいきなり裁判はできません。ステップを踏む必要があります。夫婦の話し合いだけでは離婚できずに調停になると、慰謝料や養育費の金額は、算定表にもとづいて決定します。この算定表による金額は支払う側の経済状況や婚姻期間などによって決まるのですが、慰謝料ならば数十万円から数百万円になります。一方、協議離婚の場合は慰謝料も養育費も言い値で決められます。
今回のケースは、調停離婚にしてしまったら、妻をだまし続けた夫は、慰謝料や養育費を素直に払い続けるようには思えない。そう妻の母親は考えたのです。婚姻期間も短いので、算定表に基づく金額ではあまりとれない。妻に内緒で仕事を掛け持ちしていたり、黙って部屋を借り続けて不倫していたといった素行から判断されました。
二重生活をしていたのですから、お金をいっぱい持っていそうにも思えません。しかし、慰謝料をもらう側としたら、お金の出どころなんて関係ありませんから、がっちり請求をすることになるわけです。
報復のポイント
経営者の目線で考えると、調査で明るみになった数々の偽りは、夫の勤め先の解雇事由にもあたると判断。
それらの下調べと準備の上、不倫夫の潜伏先である部屋を、突撃訪問したのです。
結果、調査報告と合わせ、素行時滞納問題を「勤め先にも報告すます」と伝えたところ、即座に平謝りでおとなしくなりました。
最終的に、
もう、お見事すぎて、我々も気分がスカッとしました!それくらい、妻の母親の手際はよかったです。
じつは、交際相手の身元調査の依頼者は男性も少なくありません。付き合ってしばらく経っても、友達や同僚、家族を紹介してくれない。家に誘ってくれない、勤め先をはっきり教えてくれない、といったパターンは要注意です。男女ともに気を付けたいのですが、とにかく、マッチングアプリなどで、簡単に出会えることの弊害だと感じています。
そもそも簡単に知らない男女が出会えること自体がどうなのでしょうか?すくなくとも、リスクをしっかり理解した上で検討してくださいね。
※本コラムは実際のケースを元にプライバシーに配慮をした形で再構成したものであり、実在する特定の人物のエピソードではありません。
まだデータがありません。
誰かに恋をしたり、愛したり。そこには人の数だけドラマが生まれます。とはいえ、そのドラマは必ずしも素敵なもの、とは限りません。出会って恋に落ち、結婚をした二人でも、別れを迎えることもある。恋が道ならぬモノであることも、少なくありません。
私たちを取り巻く「恋愛事情」や「夫婦の関係」は時代とともに、大きく様変わりしてきました。
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