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探偵さん、本日もよろしくお願いいたします。最近、友達から「スピリチュアルセミナーの男性講師が受講生の女性に性的な関係を迫る」というケースを立て続けに聞きまして。そういう風潮というか、傾向があるようでしたら警鐘を鳴らす意味でも、CiaoLabで取り上げたいと思うのです。実際の不倫や浮気の調査依頼でそのようなケースというのはありますか?
家族構成
夫 30代後半(会社員)
妻 30代後半(フリーランス)
子 小学校低学年
「不倫や浮気の相手がスピリチュアルセミナーの講師や占い師、というケースは男女関係なくありますね。増えた、多いという印象はありませんが、調査依頼としては実は珍しくありません」
そうなんですね! 私が聞いたのは、あるスピリチュアルセミナーの男性講師が『私と第一チャクラを結合する必要がある』と女性の受講生が言われ、性的な関係を迫られたというお話だったんですが……。補足しますと、第一チャクラって生殖器のことなんですけれど。
「結合しちゃって、不倫関係になるパターンですね」
結合しちゃう人もいれば、それでハッと我に返って逃げる人もいるようです。ただ、どうもそのセミナー講師の常習的な手口らしい、というウワサです。スピリチュアルや占いを否定するわけじゃないですし、まっとうにやられている方のほうが圧倒的に多いとは思うのですが……。スピリチュアルも占いも「悩み事がある人」が集まる傾向にあると思うのですね。そこに付け込んでこういうことをする人がいるのもまた、現実なのだなと。
「付け込んで、というところはあるかもしれませんね。ご主人からの調査依頼があったケースで、奥さんの不倫相手が男性占い師だった、というケースがありました」
ご主人はどんなことから奥さんの不倫に気づいたのでしょうか?
「ある日、突然、家を出てしまったんです。子供もおいて」
え? そんなことって⁉ 駆け落ち同然じゃないですか?
「女性の不倫は大胆で、予測不能な行動を取るパターンが多いことは以前にもお話しましたが、このケースもまさにそうでした。ご主人がメッセージを送れば、奥さんからは返事もくるのだけど、家には帰ってこない。家を出てから2週間ぐらい経った頃に、ご主人から弊社に電話相談があって、調査の依頼を受けました」
奥さんの所在が分からないと、調査も難しいですよね。
「例え、家を出てしまっても調査対象の方が会社勤めで、出社していれば突き止めやすいのですけどね。この奥さんはフリーランスの方だったので、行動が不規則でご主人も把握していなかったんです。でも、ご主人が奥さんが足しげく通っていた占い師の名前を憶えていたんです」
ということは、その占い師と不倫しているかも? とご主人は怪しんでいたんですか?
「それが、ご主人は最初は『この頃、妻がよく通っていた占い師なら、何か知っているかも』ぐらいの感じでした。でも、ご主人の話を聞けば聞くほど、この占い師が相手じゃないか? って探偵の勘が告げるんです。なので、直感に従って占い師のほうから調べることにしたら、ビンゴ」
ビンゴ、なんだ。
「ビンゴです。奥さんの滞在先は占い師の家でした」
もはや同棲状態じゃないですか! 占い師は独身なのですか?
「独身でしたね。ご主人は知らなかったんですけど、奥さん、その占い師に弟子入りみたいな感じで占い業を手伝っていたんですね。仕事として。でも、奥さんがいつの間にか転職していたことすら、ご主人は気づいていなかった」
弟子入りしたとか、仕事を変えようと思うという話も夫婦の間でしていなかったんですね? スピリチュアルや占いに女性が行く動機って、先ほども言いましたけれど何か悩みがあるんですよね。その悩みを夫婦で話し合えないからそういう場所に行く、という方も少なくないと思うんです。今回の調査のケースも、まさにそれですよね。ご主人、占い師の名前は憶えていても奥さんのこと全然、知らないんだなって感じます。
「そうですね。夫婦がお互いのことを『知らない』状態になるのは、それぞれに原因があってのことだとは思うのですね。どちらか一方が悪い、ということではなく。そうして、いつの間にか、気持ちがすれ違っていった結果なのでしょうね」
心に隙間があるわけで、しかもそれを相談しているのだからスルッと入るのは簡単だろうなって思います。「第一チャクラの結合」とか言っている人も、話を聞く限りではそんな感じですもの。でも、このケースの男性占い師は自分の弟子にして仕事も手伝ってもらうようになっていて、同棲までしているとなると本気の関係のようにも思えます。
「そうなんです。しかも、子供を置いて家を出ちゃってるって、相当な覚悟がないとできません。お子さんはまだ、小学生ですしね。奥さんが家を出た後のメッセージのやりとりでは『家を出てしばらく別居したい』ということを書いていて、離婚したいではなかったのでご主人も『ほとぼりが冷めたら戻ってくるだろう』って思っていた節もあったんです」
奥さんが家を出てからは、ご主人がお子さんの世話をしていたのですか?
「ご主人のご実家が近かったので、学校が終わったらお子さんはおばあちゃんの家に行く。仕事が終わったご主人が迎えに行って実家で晩御飯を食べて帰宅する、みたいな生活をしているとおっしゃっていましたね。なので、あまり不自由はないと」
うーん。なんだか、ご主人が「たいしたことない」と思ってきた嫁姑問題もあったんじゃないのかな? って気がしてきました……。もちろん、不倫して子供をおいて家をでちゃったことは「奥さん、それはやったらダメだよ」って思います。でも、このご主人、あまりにも奥さんに無関心で、「不自由ない」なんて言っちゃうあたり、実家への依存も強そうな印象がして。
「奥さんのことを知らないという印象は確かに、ありましたね。調査結果をご報告したときも『不倫相手に慰謝料を請求したい』って最初におっしゃったので、ちょっとビックリしました」
戻ってきて欲しいよりも、慰謝料が優先のような印象を受けちゃいました。
「そう感じてしまいますよね」
不倫をした側を擁護するわけではないのですが、今回のケースは、そもそもの夫婦関係のほころびがあちこちにあったのかな、って気がします。
「夫婦関係の破綻が不倫につながった、というケースですね」
ああ、結末はなんとなく予想がついちゃいますね~。
「しばしばお話していますが、男性は余裕があると浮気をするのに対し、女性が浮気をする動機のほとんどが不満なんですね。その点では、このケースの奥さんが浮気をして不倫相手に走った理由というのは、ものすごくパターン通りといいますか。ご主人や結婚生活に対して不満があったんだろうな、というのが第三者にも分かりやすいですよね」
その不満がいつしか悩みになって、占いやスピリチュアルにハマるという図式はあるあるだと思います。そんな女性に「第一チャクラの結合が必要だ」とか言って関係を迫る男性のスピリチュアルセミナー講師がいるのは、お仕置きが必要ですが……。今回のケースの不倫相手である男性占い師は、弟子入りさせて仕事も一緒にして、自分の家に滞在させていたわけで。本気度が高そうですよね。
「結果をそのままご主人に報告したときも、事実上、同棲状態にあることには『ふーん』という感じの反応でちょっとびっくりしました。それよりも、占い師に慰謝料を請求するということに話が行くので『慰謝料は請求できますが、奥さんには戻ってきて欲しいですか?』って、こちらから聞かなくてはならないような感じで」
やっぱり申し訳ないけれどこのご主人、ちょっとズレてますね。結局、どうなったんですか?
「離婚、ということになれば、不倫相手への慰謝料はもちろんですが、奥さんと財産分与や親権のことも含めて話し合わなくてはならない、といったことをご説明しました。すると『両親に相談します』ってその日はお帰りになられました」
実家依存が高そうなご主人だと思ったのですが、やっぱり両親に相談するなんだ! なんかもう他人事ながらすごくモヤモヤします。その後はどうなりましたか?
「しばらくたって、『離婚についてもう一度、教えて欲しい』と弊社のカウンセラーに連絡がありました。奥さんと話し合うべきことや、話し合いでうまくいかなかったら調停離婚になり、それでも折り合わなければ裁判離婚になるという離婚の基本的なことをお話しました。さらに、今回の場合は奥さんが不倫をしているわけなので、奥さんが有責配偶者になることなど、そういう法律的なこともお伝えしました」
CiaoLabに弁護士さんの監修による離婚の基本的な知識を紹介する新コーナー「離婚の知恵袋」もできましたので、詳しく知りたい方はぜひ、そちらもご覧いただきたいです!と、お知らせを挟んでしまいましたが、今回の不倫調査のリアルのご夫婦はその後、やはり離婚となったのでしょうか?
「離婚されたと聞きました。占い師にも慰謝料を請求したようです」
お子さんのその後が気になります。
「そこまで把握していないのですが、親権のことをかなり詳しく質問されていたので、もしかしたらご主人が親権を持つことになったのかもしれません。ご実家も近くて、子育てには不自由ないとおっしゃっていましたから。ただ、お子さんの気持ちの問題は気になりますよね」
そうなんです。環境的には問題なくても、お子さんの気持ちの問題はどうなのかな? って思います。確か、小学校高学年でしたよね?
「高学年でした。大人同士で決着がついたとしても、お子さんの気持ちはまた別ですからね。私たちも、このケースはそこまでフォローしていないので、何とも言えないのですが……」
じつは、友人知人の離婚の話を聞くと「けっこう子供の気持ちに疎いんだな」って感じること、少なくないんですよね。「もう大学生だから、包み隠さず話す」って娘に夫の不倫のことを詳細に語ってしまった、なんて知人もいました。その後、娘さんのメンタルが不安定になってしまって……。
「そうですね。お子さんが何歳になっていいようとも、いい大人であっても、お父さん、お母さんの不倫のことは話さないように、と私たちも依頼者の方々にはお伝えしています。現実的な理由としては、お子さんを含めて血縁者はどうしても感情論が先走ってしまい、浮気をしている張本人や不倫相手と直接、対峙しちゃうことも珍しくないんです。すると、問題が大きくなりすぎて、慎重に対処すれば修復できた関係もできなくなることも少なくありません。つまり、選択肢を狭めることになってしまうのです」
肉親を思ってのことが、結果的にマイナスに働くのですね。
「そうなんです。なので配偶者の不倫を肉親に包み隠さず話すことは、よくない方向に作用することのほうが多いですね。また、お子さんは母親や父親のことを思って、自分の気持ちを押し殺してしまうことも考えられます。先ほど、おっしゃっていたお嬢さんが精神的に不安定になってしまった、というようなことも十分にあり得るのです」
離婚がダメというわけではなくて、「お子さんの本音」を聞いてあげることが大切なのかも知れませんね。「子供のために」と夫のモラハラに耐えていた女性が、子供から「ママ、離婚しなよ!」って言われて離婚したというケースを聞いたこともあって。耐えることが子供のためとは限らないのだな、と思いました。
「ほんとにそうですね。そして、女性の不倫は不満から、ということを世のご主人たちに知っておいて欲しいですね」
そうですね。離婚をすることはいけないことではないと思うんです。ただ、不倫をして、その上、子供を置いて家を出ていって、その結果の離婚となったことが、今回のケースは問題ですよね。家を出てしまうって子供をものすごく傷つけることですから。
「その通りですね。夫婦関係の修復が難しかったにせよ、子供を傷つけないように軌道修正できていたらと思いますね」
はい。そして、世の女性たちには「第一チャクラの結合が必要」などと言って、肉体関係を迫るスピリチュアルセミナー講師や占い師がいることも覚えておいていただきたいです! 今回もためになるお話をありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!
誰かに恋をしたり、愛したり。そこには人の数だけドラマが生まれます。とはいえ、そのドラマは必ずしも素敵なもの、とは限りません。出会って恋に落ち、結婚をした二人でも、別れを迎えることもある。恋が道ならぬモノであることも、少なくありません。
私たちを取り巻く「恋愛事情」や「夫婦の関係」は時代とともに、大きく様変わりしてきました。
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